中小企業のための海外展開 実践ガイド売るだけじゃない、残すためのグローバル戦略海外に進出する際に押さえておくべき実践ポイント
- rmatsumoto9214
- 6月6日
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中小企業のための海外展開 実践ガイド売るだけじゃない、残すためのグローバル戦略海外に進出する際に押さえておくべき実践ポイント
こんにちは。今回は「中小企業が海外に進出する際に押さえておくべき実践ポイント」について、ビジネスモデル別の展開パターン、初期投資の考え方、そして持続可能なリーン戦略まで、体系的に解説します。
1. なぜ今、「売るだけ」で終わらせてはいけないのか?
海外市場への進出は「販路拡大」のためだけでなく、自社のブランド・ノウハウ・存在価値を“残す”ための布石と捉えるべきです。短期的な売上だけを追うと、価格競争・模倣・撤退リスクに晒されやすく、結果として“コストだけが残る”こともあります。
2. ビジネスモデル別に見る海外展開パターンと初期投資の違い
モデル | 特徴 | 初期投資 | コントロール性 | 推奨フェーズ |
越境EC | プラットフォーム活用。在庫不要も可能。 | 少 | △(規制・返品など) | テスト販売段階 |
OEM供給 | 自社製品を他社ブランドで販売。 | 中 | ○(B2B主導) | 成熟商品の拡販 |
現地販売(代理店/直営) | 実店舗/代理店経由で現地販売。 | 高 | ◎(価格・販促制御) | ブランド戦略段階 |
ポイント: 投資額が大きいほどコントロール性は上がりますが、同時に撤退リスクも高まるため、段階的に展開することがカギです。
3. 予算別に考える「3つの実行モデル」
100万円未満:超スモールスタート(市場テスト型)
戦術: 越境EC(Shopify、Amazon Globalなど)
目的: 市場反応の検証、ペルソナ仮説の検証
ヒント: 商品の説明文は「翻訳」ではなく「現地語での販売文脈」で書く
300万円前後:B2B開拓型(OEM+現地パートナー連携)
戦術: 展示会出展+現地商社とのアライアンス
目的: ローカル企業との連携による販路確保
ヒント: 自社の製品ストーリーを伝える営業資料を多言語で準備
1,000万円以上:ブランド構築型(直営・現地法人)
戦術: 現地法人設立、直営店舗運営、現地SNSマーケティング
目的: 中長期的なブランド資産構築、利益率の最大化
ヒント: 海外では「物語性」が重視されるため、ブランドの“なぜ”を明確に
4. リーンスタートアップ的アプローチで海外進出を成功に導くには?
リーンスタートアップの考え方は、海外進出にも非常に有効です。ポイントは次の3ステップ。
① Build(構築):
MVP(最小限の販売可能モデル)として商品をテスト投入→ 越境ECで特定エリアに絞って販売開始
② Measure(計測):
反応(売上・レビュー・返品率)を分析し、仮説検証→ どの市場・価格・説明文が最適かを精査
③ Learn(学習):
得たデータを基にピボット(軌道修正)→ 販売対象国やターゲット層を再設定
この「作って・試して・学ぶ」プロセスを短いサイクルで回すことで、ムダな投資を回避し、現地適応性を高めることが可能です。
5. 成功する中小企業が共通して持つマインドセットとは?
現地目線を持つこと:商品が良い=売れる、ではない
長期視点で“残す”覚悟を持つこと:撤退も選択肢だが、継続が価値を生む
相手国に“学びに行く”姿勢を持つこと:文化と顧客に敬意を払う
最後に:
海外展開はゴールではなく、「会社の未来を広げる手段」です。“売ること”に終始せず、“残る価値”を築くための視点と戦略を、いまこそ磨いていきましょう。小さく始めて、大きく育てる——その第一歩を、今日から踏み出してみてください。
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