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属人化を脱却する営業チームづくり:ベースライン行動の設計方法

  • 執筆者の写真: rmatsumoto9214
    rmatsumoto9214
  • 12 分前
  • 読了時間: 5分

属人化を脱却する営業チームづくり:ベースライン行動の設計方法

属人化を脱却する営業チームづくり:ベースライン行動の設計方法

多くの企業が「営業の属人化」から抜け出せずに苦しんでいます。特に中小企業では、“できる営業が案件を持ちすぎている状態” が慢性化していたり、“新人が育たない構造” がそのまま放置されていたり、“各担当のやり方がバラバラで組織としての最適解が共有されていない” 状況がよく見受けられます。


問題は、この属人化が売上のブレーキになるだけでなく、事業の再現性を奪い、組織の成長速度そのものを著しく低下させる点にあります。そして、この状態を打破するための最も実務的で効果的な解決策が 「ベースライン行動の設計」 です。


これは単なるチェックリストではなく、営業活動そのものを“再現可能な型”として言語化し、誰が担当しても一定以上の成果を出せる仕組みをつくるための土台となります。

営業チームが属人化してしまう理由は非常にシンプルで、驚くほど多くの組織が“成果の出ている行動の正体を把握していない”からです。


トップ営業の成功パターンが曖昧であったり、KPIはあるのに“何をどう動けば良いのか”が具体的に落とし込まれていなかったり、育成の場面でも「頑張れ」「とにかく数字を追え」など精神論に傾いてしまうケースも後を絶ちません。


さらに、営業として長年活躍してきたメンバーの技術が感覚的で、言語化されずに個人の中だけで完結してしまうことが多く、この構造こそが属人化を固定化させる最大の要因になっています。つまり、チームとしてのベースラインが存在しないまま、各人の“なんとなくの経験則”に頼って営業活動が進んでしまっているのです。


ここで重要なのは、ベースライン行動とは「最低限やるべき基本動作」ではなく、むしろ “成果に直結する重要行動を抽出し、誰でも実行可能な形に体系化したもの” という点です。例えば、商談前の事前リサーチひとつを取っても、トップ営業は顧客企業のニュースだけではなく、業界構造、競合動向、意思決定プロセス、担当者の傾向、過去の取引の変遷まで踏み込んで理解しています。


これを「情報収集をする」と一言で片付けてしまうのは危険であり、ベースライン行動として設計する場合には「どこまで調べるべきか」「何を見れば勝率が上がるのか」「具体的にどの情報が提案に影響するのか」まで明確に言語化しなければなりません。


これにより、経験の浅い担当者でも“正しい方向に努力できる土台”が形成され、質の低い努力や意味のない行動をしなくて済むようになるのです。


ベースライン行動を設計する際の最初のステップは 「勝ちパターンの抽出」 です。これはトップ営業の属人技術を奪い取ることではなく、成功案件の過程に共通して存在する行動、思考プロセス、商談進行の特性、フォローの深さなど、再現性のあるポイントを丁寧に拾い上げる作業です。


多くの組織ではこの作業が曖昧になり、「●●さんは話がうまい」「経験が長いから強い」など属人的な理由で片付けられてしまいますが、トップ営業が成果を出すには必ず“行動の共通項”が存在します。例えば、初回商談のヒアリング項目の深さや順番、仮説提案の切り口、顧客の心理ステージを正確に読むタイミング、競合の先回り方法など、行動レベルで言語化できる領域が必ずあります。


これらを丁寧に拾い上げて構造化することで、チーム全体の営業水準が段階的に引き上がります。

次のステップは 「行動の標準化とガイドライン化」 です。ここでは単純なルール作りではなく、実際に現場で使えるレベルにまで“動作を分解”することがポイントになります。


「商談後は24時間以内にフォローする」といった表面的なルールでは不十分であり、フォローメールの構成、商談の論点整理の方法、顧客の反応別の追加提案の出し方など、より実務的な行動ガイドに落とし込む必要があります。


また、この標準化のプロセスでは「なぜこの行動が必要なのか」という背景まで併記しておくことで、担当者が行動の意図を理解しやすくなり、単なる作業ではなく成果につながる“意味のある行動”として実行できるようになります。


さらに、ベースライン行動は “固定したマニュアル”ではなく、改善し続ける“組織の営業OS” として扱うことが重要です。市場環境が変われば顧客の購買行動も変化し、新たな競合が参入すれば勝ちパターンも変わります。


したがって、ベースライン行動は半年ごと、あるいは四半期ごとに見直し、実際に行動しているメンバーからのフィードバックや最新の成功事例を取り入れてアップデートしていく必要があります。こうした改善を続けることで、営業チームは“昨日より今日のほうが強い組織”に変わり、属人化のリスクを最小限に抑えながら継続的な成長が可能になります。


最後に、属人化を脱却した営業チームが得られる最大のメリットは「新しく入った人が早く成果を出しやすくなる」ことです。採用した人材を即戦力化できる構造が整えば、組織の依存度は分散され、離職や異動による売上への影響も軽減されます。


また、ベースライン行動が確立されたチームは、メンバー同士が“共通言語”で会話できるため、商談レビューやロープレの質が飛躍的に向上します。結果として、組織としての意思決定スピードが高まり、個人の技量に頼る営業から、戦略的で再現性の高い営業へとシフトしていきます。


属人化を脱却するというのは、営業組織の未来を守り、事業を持続的に成長させるための重要な投資です。ベースライン行動の設計は、その“最初の一歩でありながら最も効果の大きい改革”と言っても過言ではありません。

 
 
 

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