中小企業のための海外展開 実践ガイド売るだけじゃない、残すためのグローバル戦略海外市場調査はこう進める!現実を掴む「ハイブリッド調査法」
- rmatsumoto9214
- 6月11日
- 読了時間: 3分

中小企業のための海外展開 実践ガイド売るだけじゃない、残すためのグローバル戦略海外市場調査はこう進める!現実を掴む「ハイブリッド調査法」
海外展開に踏み出そうとする中小企業にとって、最初の関門が「海外市場調査」です。どこに、どのように商品を届ければいいのか。その判断を誤れば、せっかくの挑戦が「一過性の冒険」で終わってしまいます。本記事では、売るより残すための戦略的市場調査手法について、実務に即して解説します。
1. 海外市場調査の全体像:2段構えの「ハイブリッド調査法」
市場調査は、大きく分けて以下の2つのフェーズに分けて進めます。
▶ 第1フェーズ:デスク調査(机上調査)
目的:全体の「方向性」と「大まかな選定国」を定める
手法:信頼できる公的データ+民間レポートで市場感を掴む
▶ 第2フェーズ:現地調査(実地検証)
目的:仮説の検証+現地の生の反応を掴む
手法:現地商談、展示会、テスト販売、インタビューなど
この「デスク+現地」のハイブリッド調査**こそ、中小企業にとって再現性と実行力を両立させる最も実践的な方法です。
2. 無料で使える公的データと民間レポートの見方
▷ 公的データ(コストゼロでも信頼度高)
以下は、海外市場調査に使える無料かつ信頼度の高い機関の例です。
機関名 | 内容 | URL例 |
JETRO | 各国の市場動向、消費傾向、規制情報など | |
政府統計ポータル(e-Stat) | 貿易統計・需要動向など(主に日本) | |
ITC(国際貿易センター) | 国際貿易フロー、品目別統計 |
使い方のコツ:
「市場が大きい」より、「競合が少なく、特徴が活きる」市場を探す
関税・規制などの非関税障壁にも注意する
類似商品が現地にどう浸透しているかも確認
▷ 民間レポート(必要に応じて有料活用)
Euromonitor、Statista、Mintelなどは、消費者ニーズやトレンド分析に強い
特定ジャンルに強いBtoB業界レポート(例:Frost & Sullivanなど)も検討対象
3. 現地での「リアルな声」こそ意思決定の命綱
デスク調査で得た仮説は、現地で必ず検証してください。
▷ 有効な現地調査の手段
現地展示会への出展 or 視察:競合や流通形態を掴む絶好の機会
テスト販売(仮輸出):小ロットで反応を見る
現地消費者やバイヤーへのインタビュー:主観的な好みや文化的ギャップが浮き彫りに
特に「味・香り・デザイン」など感覚に訴える商品は、現地でのフィードバックなしでは判断できません。
4. 中小企業が市場調査を外注する場合の費用感
調査をすべて自社でまかなうのは難しいケースもあります。その場合、外部リソースの活用も有効です。
調査内容 | 外注先例 | 費用目安 |
デスク調査(市場レポート要約) | 個人コンサル、専門調査会社 | 10万〜30万円 |
現地展示会の出展サポート | JETRO、専門支援機関 | 50万〜100万円(補助金活用可能) |
現地インタビュー、通訳同行 | 通訳事務所、現地コンサル | 5万〜20万円(1日あたり) |
ポイント:
補助金(例:中小企業海外展開支援事業)を活用することでコストを抑制可能
調査を丸投げせず、自社で“意思決定の軸”を持つことが重要
まとめ:調査はコストでなく“未来への投資”
海外市場調査は「やるかやらないか」で、未来の事業の深さが決まります。“売るだけでなく、残す”ためには、感覚や憶測に頼らない、実証に基づいた戦略的な調査が必要です。
前回のブログ、海外での販路開拓とパートナー選定の実務について解説もあわせてご覧くださいね。
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